ガルシア・ファミリー・コレクション

mauro01マリアノ・ガルシアは30数年に及ぶベガ・シシリアの醸造長時代に、「ウニコ」を世界最高峰のワインに仕立てた優れた醸造家として、また素晴らしい人格者として、数多くの醸造家やワイン愛好家から尊敬されている人物です。

彼が地元のレストランで食事をしていると、老若男女問わず多くの人たちがひっきりなしに挨拶に来ます。中には「これはうちの新ヴィンテージワインだけど、どう思いますか?」と、自社のワインの試飲を頼む人の姿も。そんな質問に対しても、彼は全く面倒がらずに親切丁寧に答えます。このようなやりとりを見ているだけでも、彼がどれほど多くの人に慕われ、信頼され、尊敬されているのかがよくわかります。彼はスペインワイン界の発展のため、後進の育成のため、すべての人にオープンに自身のもつブドウ栽培やワイン醸造の知識や経験を惜しみなくシェアしているのです。

スペインを心から愛し、土地のポテンシャルを信じていたマリアノは、ベガ・シシリアのあるDOリベラ・デル・デュエロだけでなく、ほかの産地でもワインを造ることを選びました。彼が自身のワイナリーであるボデガス・マウロを立ち上げたのは、1978年。この年は、フランコ独裁政権が倒れ、民主化した政府による新憲法が制定された年でもあります。ベガ・シシリアの醸造長という重責を担う傍ら、スペインワインの可能性を追求することを決意したマリアノは、スペインが国として新しい時代を迎えたのと時を同じくして、ワインの新しい時代を切り開いた先駆者のひとりと言えるでしょう。

ボデガス・マウロが本拠地を構えたのは、リベラ・デル・ドゥエロ西部のトゥデラ・デ・ドゥエロ。90年代後半にはDOトロに進出し、ボデガス・マウロドス(サン・ロマン)を設立。1998年にベガ・シシリアを退職すると、DOリベラ・デル・ドゥエロの委員長だったハビエル・サッカニーニと共に投資家を募り、DOリベラ・デル・ドゥエロで最高のワインを造るべくボデガス・アールトを立ち上げ、醸造責任者に就任しました。

現在は次男のエドゥアルド・ガルシアもワイン造りに参加。マリアノの豊かな経験や知識に、エドゥアルドの若い感性が加わり、ファミリーのワイン造りはさらなる飛躍を遂げつつあります。