アルギン酸ナトリウム&塩化カルシウム2

山田チカラシェフによる調理例

algin01まず、塩化カルシウム水溶液を作る。

<基本配合>
水500g:塩化カルシウム3.25g

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分量の水の中に分量の塩化カルシウムを溶かす。軽く混ぜれば、サッと溶ける。水は常温でOK。

 

ただし、同じ水溶液の中で、何度もアルギン酸ゼリーを作っていくと、固まる効力が弱まる。その場合は、新たな塩化カルシウム水溶液を使うこと。

algin04アルギン酸水溶液を作る。

<基本配合(例)>

  • 夕張メロン果汁の場合/
    果汁300g:アルギン酸1.5g
  • リンゴ果汁の場合/
    果汁250g:アルギン酸2g:クエン酸0.18g

 

 

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家庭用の小型バーミックスで、少しずつ果汁などの液体に混ぜ合わせる。

 

 

 

algin06混ぜ合わせた水溶液を、一度シノアで濾す。

ここで、一晩ほど冷蔵庫に液体を入れて、中に入った空気を抜く。

 

 

 

 

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空気が抜けないままのアルギン酸水溶液を塩化カルシウム水溶液に落とした場合、水面にアルギン酸水溶液が浮いてしまい、丸く形が作れない。

写真のゼリーは、左側が浮いてる状態。右側のゼリーは休ませた水溶液で作ったもの。

出来上がった卵黄ゼリーは、素早く塩化ナトリウム水溶液からひきあげ、水で表面を洗う。塩化ナトリウムが表面についていると、中まで硬くなり味が無くなる。

 

 

algin08写真は夕張メロンの卵黄

2つの卵黄型ゼリーうち、下の丸く形の良いゼリーは一晩冷蔵庫で休ませたアルギン酸ナトリウム水溶液を
塩化ナトリウム水溶液に落としたもの。丸まって塩化ナトリウム水溶液の底に沈む。

上側の形の悪い卵黄は、バーミックスで攪拌後、休ませずにすぐに使用したもの。空気を含んだ液体のため、塩化ナトリウム水溶液の表面に浮いてしまい、丸く形を作ることができない。

大体、3~4分で表面が固まるので、固まったら素早く水洗い!

 

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その他のアルギン酸水溶液。

左上:赤ワイン、
右上:コーヒー、
一番下:グリンピース

同じ分量の液体とアルギン酸でも、濃度が素材によって変わる。
コーヒーのように、無糖のものはさらっとした液体だが、メロンのように糖度の強い液体にアルギン酸を加えると、濃度が濃くなる。

 

algin10出来上がった様々な風味の卵黄

手前から、牛乳、夕張メロン、赤ワイン、グリンピース

 

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出来上がった卵黄を、沸騰したお湯の中に落としても、普通のゼリーのように溶け出すことはない。なんとも不思議!

 

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