フレッシュシライマツの誕生まで

フレッシュシライマツ誕生までタイトル

お茶の効用

茶葉日本古来より生活の知恵として受け継がれている植物の利用について調べると非常に興味深い、例えば、刺身にはワサビ、鮨にはショウガと大きな湯呑みになみなみと注がれた緑茶がつきものです。ショウガとワサビは殺菌効果のあることが多くの文献に報告されており、食中毒から身を守るための生活の知恵でしょう。また、緑茶は口臭を消すとともに生もののにおいを消す作用があるため素材の味を大切にする日本料理になくてはならないものです。
植物成分には漢方薬としての応用をはじめ、抗菌剤、抗酸化剤、消臭剤等、多くの応用のあることはよく知られており、最近では鎮静効果、興奮効果等を有する植物の揮発性芳香成分を心身症の治療に利用しようという、アロマテラピー(aromatherapy)の研究も行われています。このような自然の作用に着目して植物成分を消臭剤として利用しました。

お茶の製造法

茶畑ツバキ科の乾燥葉に含まれる成分は製造方法によりその有効成分の分布がかなり異なります。我々は先にツバキ科植物、例えば、茶樹、山茶花、椿等に消臭効果を有する成分が存在することを知り、アルコール系、ケトン系、又は水及びそれらの混合溶媒で抽出を行い、消臭効果を確認しています。しかしその後、有効成分の抽出方法に改良を加え、有効成分を効率よく取出すことを見い出し、テルペン分、葉緑素、レジン分を含まない純度の高い有効成分を取出す方法乾留法を確立しました。これが フレッシュシライマツ です。

消臭機能

一般に消臭メカニズムとしては次の4つの方法に大別できます。

1.香料を用いたマスキング法
2.酸化、中和、付加反応等を利用した化学脱臭法
3.活性炭、シリカゲル等多孔質物質による吸着を利用した物理的脱臭
4.微生物、酸素を用いた生物的脱臭

緑茶成分の作用については中和、付加等の化学反応が考えられますが、主な作用はポリフェノールが結合してできた3次元構造の内部の空孔にほかの原子、又は分子が入り込んで結晶構造を作る包接作用が考えられます。

乾留成分の効果

表:機器分析による除去率生活環境の中で発生する悪臭は数十万ともいわれ、機器分析のみで評価することは難しいことです。しかし、悪臭に対する関心が高まるにつれ、機器精度の向上と測定方法についての工夫がなされ、消臭効果の評価に充分利用できるようになりました。今回代表的な悪臭としてアンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタンについてガスクロマトグラフによる分析を行なったのでその結果を示します。